泣ける逸話

缶詰より口紅
 私はストリートチルドレンから話を聞かせてもらったとき、お礼にご飯をご馳走したり、お土産をあげたりするのですが、女の子の場合一番ほしがるのがお化粧道具やアクセサリーです。三日間何も食べていなくても、ご飯よりそうしたものをほしがるのです。
 昔、インドネシアで女の子のストリートチルドレンにインタビューをした後、お礼に果物の缶詰をあげたことがありました。そしたら、彼女は悪びれることもなく目の前で大人の物乞いにそれを売りさばき、手に入れたお金で露天商から口紅を買ったのです。(出典「ルポ餓死現場で生きる」著:石井光太)

傷を癒やした言葉
「ミカの『荷物』を、俺が半分持ってやる」。かつて(レイプ)被害を打ち明けた時、恋人から掛けられた言葉に、どれほど支えられたか――。痛みや苦しみを共有してくれる相手がいれば、傷ついた心をはきっと救われるはずだ。出典(「性暴力」著:読売新聞大阪本社社会部)

母の愛
 猿は死産した場合は、死んだわが子はその場に捨てていくのだそうだ。振り向きもしないと。ところが、一日でも二日でも生きて自分がおっぱいをやって育てた子が死ぬと、その死を認めないでそのような行動にでるのだという。
 死んで、腐って臭おうが、ミイラ化しようた、ずっとだっこして歩いている。しばらくの間そうやってだっこして歩いて、次の子どもを妊娠しない限りは手放さないそうだ。出典(「監察医が見た死体の涙」著:上野正彦)

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